校長室から(2023年度)

2学期始業式 「大好きなこと、やりたいことに挑戦する」(校長先生の話)

2023年9月1日 10時00分

2学期始業式で、私がお話しした内容です。


 おはようございます。
 みなさん、42日間の夏休みはどうでしたか。みなさんの朝の様子を見ていると、一回りも二回りも大きくなって、たくましくなったように思います。きっと、夏休みの間に、いろいろなことに挑戦し、夏休みにしかできない経験をたくさんしたからだと思います。また、夏休みの間に、みなさんが大きな病気やけが、交通事故が1つもなかったことも、校長先生にとってはともてうれしいことです。みなさんが夏休みの約束事をよく守って生活したからだと思います。とても立派なことです。
 今日、久しぶりに入った学校、教室、久しぶりに会う友達、先生はどうですか。新鮮な感じがして、心がわくわくして、力がわいてくる気がしませんか。みなさんだけではありません。先生たちもそんな気持ちです。やっぱり学校はいいですね。
 みなさんがいない間、教室や廊下は、担任の先生や用務員の鈴木さん、森川さんがきれいにしてくれました。今日から始まる給食に向けて、給食配膳員の有馬さんが、配膳室や配膳台をピカピカにしてくれました。感謝しましょう。校長先生をはじめ駒込小学校の先生たちは、みなさんの元気な姿に会えるのをとても楽しみにしていました。
 さて、今日から2学期です。さきほど、2年生と4年生のお友達が、2学期の抱負について発表してくれました。「抱負」というのは、「こうしたい」「こうなりたい」という目標に向けて、具体的に何をするのか、自分の心の中に決めること「決意」をするということです。発表してくれた2人とも、それぞれの目標に向かって、具体的に何をがんばるのか、しっかりと表現できて、すばらしい抱負を立てることができました。とてもすばらしかったです。どうもありがとう。
 2学期は、1学期よりも少し長く、113日あります。みなさんが、学校に来るのは、76日となります。大きな学校行事もたくさんあります。9月には、引き続き、プール学習があり、27日には、プロの演奏を聴く音楽鑑賞会があります。10月には、1年生、2年生、3年生、4年生は遠足、5年生は宿泊学習、6年生は修学旅行があります。とても楽しみですね。教室では学べない体験ができたり、友達ともっともっと仲良くなるよい機会になると思います。11月には、駒小フォーラム。12月には持久走記録会。この他にも、学年ごとに校外学習もあります。
 そこで、校長先生から、みんなに提案です。それは、2学期の勉強や行事の中からも、「大好きなこと・やりたいこと」をめあてや目標にして、たくさん挑戦してほしいということです。例えば、「本をいっぱい読みたい」「字が上手にかけるようになりたい」「ボールをもっと遠くに投げられるようになりたい」「すすんで発表ができるようになりたい」「やったことのない仕事をしてみたい」「ピアノで伴奏が弾けるようになりたい」「2重跳びができるようになりたい」「英語ですらすら話したい」「人にやさしくしたい」「みんなで大縄の記録を作りたい」「クラスで思い出をもっとつくりたい」など、いろいろありそうです。
 「大好きなこと・やりたいこと」を見つけて、ぜひ挑戦してみてください。校長先生は、結果よりも、めあてや目標に向かって、まず行動すること、そして挑戦し続けることが大切だと思っています。
 駒込小学校の先生たちは、そのような挑戦するみなさんを全力で応援します。
 友達と協力しながら、自分の「大好き、やりたい」に挑戦する2学期を始めましょう。
 校長先生のお話を終わりにします。静かにきてくれて、ありがとう。

校長室から(2022年度)

なぜ今学校の働き方改革なのか(校長ブログ)

2022年6月16日 16時15分

私が初めて教員として勤務した学校は古河第一小学校でした。

私は高校ではいわゆる理系で高校生の頃は小さい頃みていたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」などに影響され、宇宙に関わる仕事がしたいなぁと思っていましたが、私の学力では到底無理だということがわかり早々にあきらめました。

そして、昭和時代には学校もののテレビドラマ全盛期で、「熱中時代」「金八先生」はじめ「教師びんびん物語」「スクールウォーズ」などなど、今では到底放送禁止になるような内容のドラマがたくさんありました。

影響を受けやすい私は、そんなドラマに登場してくる熱血教師に憧れ、教師をめざしました。

私が教師になってはじめての感想は、「こんな楽しい仕事で給料もらえるなんて幸せ」と「小学校の先生っていつトイレに行くの?」でした。

中学校や高校と違って、全教科を受け持ち、朝から子供たちが下校するまでずっと一緒にいる小学校の先生はどこでトイレに行って、どこで休むの?ということです。

まだまだ30年も前のことですから働き方改革などという言葉が全くない時代で、当時は同じ年代の若い先生方が何人もいた時代ですから、夜遅くまでいろいろ語り合いながら、明日の授業の準備をしたりしていました。

それが普通だと思っていました。

中学校で部活動を担当していた時には、これまた部活動改革など全くない時代でしたから、自分の受け持つサッカー部を強くするためには、土日は毎週練習試合、休みもほぼほぼなく、家族は部活母子家庭という状況でした。たまの休みに家族で出かけていると、生徒指導の電話が入り、「すぐに学校に来てくれ!」という時代です。今思えばよくやっていたなと思います。

昭和から平成、令和と時代がかわり、地球環境や貧困対策などの地球規模の問題が叫ばれるとともにグローバル社会と言われる時代となりました。SDGsに代表されるように「持続可能な〜」という流れが世界中で主流になってきました。

働き方も持続可能な働き方にならなければなりません。教員に限らず、どの職種でも仕事で体調を崩したり、精神的に病んでしまったり、最悪の状態では命を落としたりということは絶対にあってはならないことです。

誰もが幸せに、自分の生活と仕事のバランスをとってやっていくいわゆる「ワークライフバランス」の時代になりました。

また、最近よく言われるのは「well-being(ウェルビーイング)」です。簡単に言えば「多様な幸せ」で、今後の社会は一人ひとりが多様な幸せを実現できる社会を目指しましょうということです。

教員には残業代はありません。

その代わり公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法(給特法)という法律があり、1971年に制定された法律で、教員の仕事は勤務時間の管理が難しいという特殊性を考慮し、休日勤務手当や時間外勤務手当などを支給しない代わりに給料月額の4パーセントを教職調整額として支払うことを定めています。

法律が成立した当時の平均残業時間が月8時間だったことから4パーセントが妥当とされましたが、その後、教員の仕事内容が年々複雑化し、勤務時間が長引く一方であることから、この法律が実態と合わなくなったと指摘されています。

この法律が1971年(50年以上も前の法律)にできて、それがこの令和の時代にも適用されていることは当然現在の働き方の実態とあっていないのはむしろ当然のことです。当時の平均残業時間が8時間からしても、現在は月45時間以内にしよういとしているところからしても、全く状況が違います。

これまでの教育界は、残業代も出ない中、先生方の子供たちへの熱意と善意により綱渡り状態でここまできたということです。

その状態がここ数年で限界に達してきています。

ブラックと言われる教員になろうという学生が減ってきたこと、教師になってもやめてしまう若者が増えてきたことなどです。さらには日本中どの地域でも先生が足りないといった危機的な状況です。ちなみに私の2人の娘も社会人ですが、大学時代に、はじめから教員免許の単位は全く取っていません。

特に、本校のような小さな学校は職員の数も少なく、1人の教員が担当する仕事内容が膨大です。

「国際教員指導環境調査(TALIS)」によると、世界中の国々と比較しても、日本の教員の仕事時間が突出して長いことが明らかになっています。

教育の仕事は無限ですから、ここまでやればOKということはありません。それでも、本校に限らずどの学校の先生方も、本当に真剣に教育に取り組んでいます。

教師の仕事に魅力があることは今も昔も変わりません。私は今でもこんな素晴らしい仕事は他にないと心から思います。

今の日本の学校を持続可能にするためにも、たくさんの優秀な学生が教師を目指す社会にするためにも、普段の仕事に、疲れはてた状態で子供たちの教育にあたるということでなく、子供たちの前で、普段から未来に夢や希望を持たせられるような熱意ある教員でいるためにも、働き方改革をしていきたいと思います。

人を増やすとか、法律とかは国が考えることなので、具体的に学校でできることは、授業以外に先生方が授業の準備をしたり子供たちとゆとりをもって対応したりすることができる「時間」をつくることです。

保護者の皆様や地域の皆様にもご理解ご協力どうぞよろしくお願いいたします。

駒込小学校長 鈴木 昭博