校長室から(2023年度)

1学期終業式「夏休みに向けて」(校長先生の話)

2023年7月20日 11時30分
1学期終業式でお話しした内容です。

 今、3年生と5年生のお友達が、1学期をふり返って、作文を発表してくれました。2人とも、「これまでの生活をしっかりとふり返って」「これから、がんばりたいこと」を、自分の言葉で、しっかりと表現することができました。とてもすばらしかったです。どうもありがとう。
 さて、みなさん。明日から、いよいよ夏休みに入ります。楽しみですね。毎年やってくる夏休みですが、今年の夏休みは、どんな夏休みにしたいですか。校長先生は、「いろいろなことに挑戦する」夏休みにしたいと思っています。
 その1つは、「ものづくり」の挑戦です。家にある、たくさんの本を整理するための「本棚」をつくったり、たくさん生まれたメダカの赤ちゃんを育てるための「ビオトープ」をつくりたいと考えています。また、エンジンで走るラジコンカーが壊れてしまったので、そのエンジンを分解して、直してみよう、とも思っています。
 もう1つは、「本を読むこと」です。夏休み中に、20冊読みたいと思っています。仕事に関する本だけでなく、大好きなミステリーや小説も読みたいと思っています。
 もう1つは、「ミヤマクワガタを見つけること」です。ミヤマクワガタはなかなか見つけることが難しい昆虫ですが、筑波山に登って、ミヤマクワガタを見つけたいと思っています。この他にも、挑戦したいことがたくさんあります。考えるだけでも、ワクワクが止まりません。
 みなさんは、どんなことに挑戦したいですか。挑戦したいことがあると、生活が楽しくなって、わくわくしてきます。時間がもったいなくて、早起きをしてしまいます。新しい発見や学びもあります。校長先生は、いろいろなことに挑戦したり、いろいろなことを体験したりすることは、国語や算数を勉強することと同じくらい、大切なことだと思っています。失敗もあるかもしれませんが、「失敗は成功のもと」。失敗から学ぶこともたくさんあります。失敗をおそれず、いろいろなことに挑戦してほしいなと思います。まだ、挑戦したいことが見つかっていないお友達は、どんな小さなことでもかまいませんので、「がんばってみよう」「やってみよう」と思うことを探して、ぜひ挑戦してみましょう。
 最後に、校長先生から、みなさんに1つお願いです。交通事故や事件にあわないように、そして、熱中症などの病気にかからないように気を付けて、元気に生活してほしいことです。2学期に、みなさんの元気な笑顔に会えることを楽しみにしています。みなさん、思い出に残る夏休みにしましょう。
 これで、校長先生のお話を終わりにします。静かに聞いてくれてありがとう。

校長室から(2022年度)

読み書きそろばん(校長ブログ)

2022年5月31日 16時20分

今日は、漢字力・計算力テストがありました。

今の時代に、果たして「読み書きそろばん」は必要なのでしょうか。
私は、必要だと思います。
特に、私のような凝り固まったおじさんの頭ではなく、小学生の時代のスポンジのように物事を吸収していく時期にはこれからの社会を生きてく上でとっても必要なことだと思います。

さて、以前にも書きましたが、人格の完成を目指した自立した大人になることが教育の目的だとすれば、我々大人は、今の子供たちにどのような力をつけさせなければならないのかを考えていかなければなりません。

その最も基本的な力としてあげられるのが、「読み書きそろばん」だと思います。
読み書きそろばんというと

読み → 本を読む
書き → 書道
そろばん → そろばん

と思われがちです。江戸時代、日本は世界で最も高い識字率で5割程度もあり、明治以降の高度成長の大きな原動力になったと言われています。 そこには、江戸の庶民までが必要とされた「読み書きそろばん」という初等教育があり、農民や町民であっても、字の読み書き、計算が必要とされたのでしょう。そして、その力をつけることによって、世界が広がっていったことは容易に想像することができます。

さて、本来「読み書きそろばん」が意味することは、次のような内容になると思います。

読み → 文字・文章を読むこと。相手の伝えたいことを正確に読むこと。
書き → 内容を理解して文章を書くこと。自分の伝えたいことを正確に書くこと。
そろばん → 計算すること。数字をきちんと把握し、正確な答えを出すこと。

いずれにしても、現代においてもとても重要になってくる力です。

以前、『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(新井 紀子 著)という本を読みました。その本では、「意味を理解して読むことができない」ことの課題を指摘し、さらに、読解力に欠けた子どもたちがそのまま大人になったら、完全にAIに仕事を奪われてしまうといったことへの警鐘を鳴らしています。また、いくら速度と記憶量が上がったとしても、「AI」は「数式として表現できること」以上のことは表現できず、その枠外にある「意味」を表現することができないとも述べています。そこに人間の可能性が残されているのですが。

あと数年もして子供たちが働く頃には、今の職業の何割かはAIに取って代わられるといったことがよく言われます。(AIと共存していく未来が理想だとは思いますが。)

そういったことを回避するためには、相手の表情から察する、微妙な表現やニュアンスの違いを読み取る、五感をフルに活用する、人を思いやる、他者と積極的にコミュニケーションを取るといった「人間にしかできないこと」を積み重ねていくことが大切だと思います。

そして、今の小学生の時期に、これからの変化の激しい世の中を生き抜いていくためにも必要な力の基本の基本となる「読み書きそろばん」をしっかり身につけていけるように、学校や家庭が連携して取り組んでいく必要があると思いました。

駒込小学校長 鈴木 昭博