校長室から

思春期と反抗期、おすすめの1冊(校長ブログ)

2022年12月7日 15時50分
世の中には下手な子育てはあっても、
どんな子にでもあてはまる“よい子育て”というものはありません。
日本の臨床心理学の第一人者、今は亡き河合隼雄先生の言葉です。
私は子育てのまっただ中、中学校部活顧問のまっただ中で、しかも今のように土日どちらか休みなどない時代だったので、ほぼ母子家庭だったような気がします。
さらには、思春期の頃は単身赴任も多く、本当に何も偉そうなことは言えません。
ただ、生まれてから小学校卒業の頃まではキャンピングカーを購入し、山や海に行ってキャンプや登山をしたり、スキーやスノーボードに行ったりと、「何でうちはディズニーランドとか行かないの?」と娘たちから言われるくらいアウトドアでたくさん遊んでいました。
さて、小学生の間に子育てで誰もが経験するものに、思春期と反抗期があります。
小さい頃、何でもイヤイヤの第一次反抗期
そして、思春期を迎える頃に始まる第二反抗期
時系列で見てみると
①幼児:感情的であるが、まわり(親、大人)を信じている。
②思春期の子ども:感情的で、不信感いっぱい。(反抗期)
③大人:感情をコントロールすることができる。(※私も含めて、あまりできない人もいると思いますが(^_^;)
となります。
私が子育て関係の本でより所としている本の中に先ほどの河合隼雄さんの『Q&Aこころの子育てー誕生から思春期までの 48 章』があります。一応、私こう見えて大学院時代は心理学を専攻していました。
河合先生は、ほかにも「こころの処方箋」など有名な著書がたくさんありますが、中でも『Q&Aこころの子育てー誕生から思春期までの 48 章』は、誕生から思春期までをQ&A形式で分かりやすく書かれていてとってもおすすめです。
一部抜粋してみると、
Q12思い通りにならないのは、育て方が悪いからですか。
A生きているんだから思い通りになるはずがないです。~
Q26子どもが学校に行きません。どうしたものでしょうか。
Aせっかく行かないのだから「チャンス」と思ってください。~
Q29思春期までに親としてやっておくべきことは何ですか。
A「ああおもしろかった」という体験を貯金しておくことです。~
Q33子どもが親と正反対のことをするのはなぜですか。
A親の盲点だからです。反抗なしの成長はありません。~
Q34子どもが悩んでいるとき、どうしてやったらいいですか。
A「さなぎ」の時期はそっとしておくのも大事です。~
Q46子育ては何を目標にしてやっていけばいいですか。
A「自分の人生を生きられる人間」に育てることです。~
などなど、ヒントになることが多く書かれています。
子育てに迷いがない人はいないと思います。誰もが悩みながら子育てをしていく中で、ちょっとしたヒントや背中を押してくれる言葉に励まされることがあると思います。
そんな時のおすすめの1冊です。
そして、河合先生はこうも言っています。
「子どもに対する愛と思って、大人が一生懸命にしていることが結果的には、大人の歓びも、子どもの歓びも殺してしまうことになっていないだろうか。」
日本の教育熱心な親や教師に捧げたいと言っています。
子どものため、あなたのため、なんて頼まれてもいないのに、それが正しい、正義だと思ってやっていることって、かなりの確率で違ってたりすることが多いです。
それよりも、関係を切らずに、腹を据えてじっくりと話を聞いたり、寄り添ってあげることが大切と言っています。簡単なようでなかなか難しいことですが。
『Q&Aこころの子育てー誕生から思春期までの 48 章』河合隼雄 著 ぜひお読みください。
私のもので良ければお貸しすることもできます。気軽にお声かけください。
駒込小学校長 鈴木 昭博
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